それは決して簡単なことではありません。AlmoフィルムとPicture Organicが、”SHELTER”を通してその疑問に挑戦しました。
“SHELTER”はマット・シェアー、ジェレミー・ジョーンズ、レビ・ラッゲン、レオ・タイユフェール、そしてトーマス・デルフィノによるユニークなスキー&スプリットボード・アドベンチャー。舞台はヨーロッパアルプス。5人の仲間達はスイスやフランス、イタリアのアルプスに点在する山小屋をつなぎ、環境への影響を最小限に抑えながら最高のテレインと雪を追い求めます。
コンセプトの発端はスイスのスノーボーダーであり環境活動家のマット・シェアー。Almoフィルムの協力により、マットは今までにないスノーボードムービーの形と、山を舞台に活躍する冒険者達の地球に対する想いを表現します。我々は、どれだけ持続可能でカーボンフットプリントの少ない行動をできるのだろうか?SHELTERはこの疑問にチャレンジします。人間の力と公共交通手段のみを利用し、フリースタイルスノーボーディングの限界へと挑戦するムービーです。
今回はSHELTERのフルムービー、そしてマット・シェアーのインタビューをお届けします。プロジェクトを始めたきっかけや撮影秘話などを読んだ後は、今期話題のムービーをご覧下さい!
僕のパッションであるスノーボードと環境活動。その2つを結びつけることが最初のゴールでした。ただ観て楽しいだけのスノーボードムービーを作るのではなく、「どうすれば自分たちがカーボンフットプリントを減らすことができるのか」という強いメッセージを込めた作品を作りたかったのです。気候変動に対する世界の関心は、若い世代も含めて、驚くべきスピードで広まっています。しかし、地球温暖化に対してなにか行動を起こす人もいれば、そうでない人もいる。そこに大きなギャップを感じています。
“SHELTER”を通して、僕たちの世界にはまだ魅力的なスノーボードの冒険があるということ、そして自分たちが一番好きなことを続けながら、さらに環境への影響を最小限に抑えられることを証明したいと思っています。そのためにも、僕たちは公共交通機関のみで移動し、ローカルの山小屋へはリフトを使わずに自分たちの足を使ってアプローチしました。
アルプスには多くの山小屋があり、僕たちは本当に恵まれています。山小屋はアルパイン魂の一部。あれだけの建物を山奥に建てたなんて、本当に驚かされます。山小屋の役割、それは春と夏のピークハントをより簡単にするために建てられました。僕たちにとっては山小屋があるおかげで、新たなテレインを発見することができます。日の出から暗くなるまで、1日たっぷり滑ることができます。夕日を眺め、暖かい夕食を仲間と囲み、眠くなるまで語り合う。これほど完璧な山旅は他にはないでしょうね。
レビ、レオ、トーマス、そして僕の4人のライダーがそれぞれの山小屋を尋ねるというプラン。メンバーの内2人はスイス人でもう2人はフランス人。自分たちが気になっている山小屋を選び、全部で10カ所の山小屋に泊まりました。それぞれ違ったスタイルで、まったく何の設備もなく自分たちで食事を持ち込まなければならない山小屋もありました。大きな山小屋は多くの客で賑わい、滑り終えた後はスタッフが夕食を用意してくれました。
難所の多いハイクの後、日が暮れる直前に小さな峠を抜けると、そこには大きな古い建物がポツンとありました。それがグランド・セント・バーナードホスピスという、世界でも有数の歴史的な避難小屋です。1050年から修道士によって運営され、1000年を超える歴史が修道院の壁の随所に残されていました。ナポレオン・ボナパルテは、オーストリアとの戦いのために、50,000人の兵士を連れてこの避難小屋を使いました。神秘的な空間でした。今ではハイカーとスキーヤーのためのオアシスになっています。
話したい思い出は山ほどありますね。その中でも最も心に残っているのは、グランド・セイント・バーナードホスピスを早朝に出て、朝陽と共にクーロワールを滑った朝のライディングですね。あの場所で朝陽を観れたのは最高でした。ジェレミーを含む僕ら5人は最高の斜面を見つけ、それぞれが違ったクーロワールを滑りました。小さなジグを40回も切ったハイクアップも面白かったですね。だれもツボ足で登りたがりませんでした。
もう1つのハイライトは、スイスのアローラ近くにあるビグネッテス・ハットに向かう途中に発見した2つのクレバス・ギャップですね。その氷の色が本当に美しくて、ちょっとクレバスを覗いただけだったのですが、クレバスの向こうに2カ所の完璧なランディングを発見しました。2つのジャンプを作り、次の日に撮影しました。1つ目のジャンプはベーシックなスタイルで、メンバー全てがヒットしました。2つ目のジャンプはクレバスを飛び越える大きな物。クレバスの手前ギリギリに作ったジャンプは壮大なスケール。ムービーの中でも一番のお気に入りのパートですね。
あの大きなギャップをスプリットボードで飛ぶなんて考えてもいませんでした。ただしそのギャップを目の前にしたら、飛ばずにはいられませんでした!ジャンプを作ってる最中から、スプリットボードを折るんじゃないかって心配もしていました。もしも壊してしまったら、バックカントリーエリアから抜け出すことすら難しくなりますから。でもその心配は無用でした。今回のプロジェクトでは一度もボードを壊すことなく、ジャンプもソリッドボード同様に安心して攻めることができました。Jonesのスプリットボードの信頼性は素晴らしいと思います。
SHELTERでマットが魅せたスプリットボードをつかったテクニカルなフリースタイルライディングは、今まで見たライディングの中で最も印象的だった。
山小屋にある古い写真を見て、明らかな影響を目の当たりにしました。多くの山小屋はグレイシャーの終点に建てられているのですが、今ではグレイシャーから何百メーターも離れています。
また彼はスプリットボードを使ったドリームラインの先駆者でもあるので、今回のトリップに参加してくれて本当に光栄でした。ジェレミーはヴァル・フェレットからグランド・セイント・バーナードホスピスまでのトリップに参加しました。無限のモチベーションとエネルギー、そして積雪に関する知識とライディングスキル、そしてポジティブな姿勢と困難における冷静な判断を持つ彼は、冒険の相棒としてはぴったりですね。
Protect Our Wintersの創立者として、ジェレミーからは多大なインスピレーションを受けています。彼と気候変動の問題について語り合うのは非常に興味深かったですね。
また予測していない降雪や天候を経験しました。2月のアルプスとして異例な高気圧が4週間訪れ、日差しと高温をもたらしました。その間多くの湿雪雪崩を観察しました。これは春によく見られる雪崩です。冬ではあり得ません。これらの異常な天候は気候変動によるものです。
山小屋に泊まることで、一日では到達できない遠くのテレインまでアプローチできます。しかも、その遠く離れたテレインは誰も踏み入れていないため、最高の雪が待っています。もちろん、ライディングだけではありません。世界中から同じパッションを持った人達との交流も魅力ですね。日常では決して得ることのできない経験がそこにはあります。携帯電話に縛られない山小屋での生活は充実しています。人との繋がりと、美しい自然との共存を教えてくれます。
もちろんです!今回の撮影で排出されたカーボンフットプリントを計算してみたところ、通常の撮影トリップよりも100分の1まで少なくすることができました。またバスや電車での移動の他にも、今まで体験したことのないような最高のテレインを発見しました。スノーボードコミュニティの枠組みを超えて、多くの人々に見てもらいたい作品ですね。スポーツの種類に関係無く、冒険心や楽しさを犠牲にする事無く、必ず自分たちにも環境への影響を減らす「何か」ができるはずです。
1月15日(水)、渋谷TRUNK(HOTEL)にて、SHELTERの上映会を開催いたします。
日本では初の上映会!入場無料、Free Beerでお待ちしています。
日時:2020/1/15(水) 18:00開場/19:30上映開始
場所:TRUNK(HOTEL) 3F SORANIWA 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-31
入場料:無料(Free Beer)
お問い合わせ:ハスコ・エンタープライズ東京営業所(03-5829-8543)
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